議会での質問・討論(詳細)
2020年9月28日

■教育委員会(古谷やすひこ9月28日)

古谷委員:日本共産党、古谷靖彦です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 委員長、スライドの許可をお願いいたします。
藤崎副委員長:どうぞ。
古谷委員:まず、学校現場の新型コロナウイルス感染症対策について伺ってまいります。
 SNS上で「#先生死ぬかも」という投稿がネット上を非常ににぎわせました。もともと残業の多い教職員の働き方、その上に、さらにコロナ禍の中で学校が再開され、施設での消毒作業をはじめ、校内の感染予防対策まで加わり、先生たちが疲弊している。それで、「#先生死ぬかも」という書き込みが相次ぎました。先生たち自身からも書き込みをされたと聞いています。教育長に伺います。コロナ禍の中で教職員の働き方が大変になっているという認識があるのかないのか、伺います。
鯉渕教育長:教職員は本市ガイドラインに沿いまして、新型コロナウイルス感染症予防のために健康観察の徹底を図り、教育活動の様々な場面において3密を避けるなど、対応をしていただいております。また、児童生徒の命を守るため感染者を出さないようにと気を遣うことも、教職員には大きな精神的な負担となっていると受け止めております。
古谷委員:そんなただでさえ大変な労働環境の中で、学校施設の消毒作業についてなのですが、放課後も大変教職員の方はいろいろな仕事がある中で、せざるを得なくなっているということが適切な対応だという認識なのかどうか、伺います。
鯉渕教育長:消毒につきましては、全教職員で対応することとしております。国の衛生管理マニュアルの改定を受けまして、本市ガイドラインを先月改定し、教室のドアノブやスイッチなどを1日1回以上消毒するとしていたものを、1日1回消毒または拭き掃除とするなど緩和しております。さらに、先日御審議いただきました6月補正予算で、職員室業務アシスタント配置事業におきまして2人目のアシスタントを追加配置し、教員の負担軽減に努めております。こういうコロナウイルス感染症の対応ですからしっかりやっていただくということも必要ですし、私どもとしてできるだけの配慮をしているつもりでございます。
古谷委員:配慮の方法がちょっと違うかと思っております。その点については後で述べます。例えば、感染者が発生した際も教職員が消毒を行うのでしょうか。
鯉渕教育長:そういう対応をしております。
古谷委員:作業に当たる教職員の方に感染させないための装備、これは準備されているのでしょうか。
鯉渕教育長:マスク、換気等を注意しながら対応していただいております。
古谷委員:服装等は装備されていないのでしょうか。
前田人権健康教育部長:教育長の申したとおり、教職員のほうは換気をして、しっかりと手洗いしながら消毒等を行っているところでございます。
古谷委員:特に、特別な服装等は用意していないということですか。
前田人権健康教育部長:特別な装備といいましょうか、例えば防護服のようなものは使ってはございません。ただ、教育委員会のほうからもビニール手袋ですとか、またはビニールのエプロンですとか、そういったものを配ってございます。そういったものを使っているということでございます。
古谷委員:先日も、消毒の事業者の方が感染されたという事例もあったと聞いております。こんな中、今学校現場で感染者の推移がどうなっているとか、伺えますか。
前田人権健康教育部長:学校の一斉臨時休業明けの6月以降の数値でございます。6月はゼロ人、7月は9人、8月は29人、9月は27日、昨日現在で37人となっています。
古谷委員:それらの感染経路というのは明らかになっているのでしょうか。
前田人権健康教育部長:当然感染が分かった段階で、区の福祉保健センターのほうで疫学的調査を行っていただいています。感染経路については保健所のほうの判断で確認をしているところでございます。
古谷委員:これらは学校現場が感染の場所であってほしくないと私はすごく思っていますが、やはりリスクはあるところだと思っています。そんな中で月ごとの感染者数は非常に増えているという状況はもう客観的に見て見えると。そんな中で、スライドを御覧ください。(資料を表示)また見づらいスライドですけれども、すみません。学校施設の消毒作業について学校再開時の、これは6月のマニュアルです。黒い丸印が消毒をするべき場所が示されています。これが8月に改定をされて、明らかに黒丸印が減っております。消毒作業の場所は確かに減らせば先生たちの負担の軽減になるかもしれませんが、本来的な目的の感染を防ぐというところから見ると、本市の状況に照らせば、非常にやはり全国的に見ても感染が増えている状況にあって、消毒場所を減らしてしまうというのはいかがなのでしょうか。
鯉渕教育長:国の通知では、消毒は感染源であるウイルスを死滅させ減少させる効果はありますが、学校生活の中で消毒によりウイルスを全て死滅させることは困難であり、このため清掃により清潔な空間を保ち、手洗いを徹底することのほうが重要とされております。そこで、新型コロナウイルス感染症対策の長期化が見込まれますので、通常の清掃活動の中でポイントを絞って消毒の効果を取り入れることとし、消毒に関する考え方を改定しております。
古谷委員:改定されたのは承知しているのですが、それは全国的な国の方針なのですが、本市の状況というのは、やはり感染が拡大している状況にあると思います。それを一律に取り入れてやるというのは、私はちょっと間違っているのではないかと思います。
 あわせて、先ほどの消毒作業を教職員がやるということについても、先ほどの質問にもあったのですが、ぜひこういうことも外注を検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
鯉渕教育長:消毒作業につきましては、児童生徒や教職員の感染が判明した場合でも国は専門業者を入れて施設全体を行う必要はないとしております。このため、本市では感染者が活動した範囲で使用した物品を特定して全教職員で消毒することとしております。

古谷委員:先ほど冒頭で、教職員の負担が増えているという認識をされたのですが、さらにこのことで消毒作業まで増えていること自身を教職員に押しつけているということはぜひ認識いただきたいですし、改善いただきたいと思います。
 先ほど、月ごとの学校現場での感染者が増えているよという話をしたのですが、先日小学校でクラスターが発生しました。これは学校現場で感染が拡大したということなのでしょうか、いかがでしょうか。
前田人権健康教育部長:お話しいただきましたクラスターの発生した市立学校でございますけれども、こちらのほうはその後、区の福祉保健センターが調査に入っております。その調査の結果でございますけれども、基本的な感染症対策は取られていたと。それから、実際上、感染経路は特定できないものの、校内での感染はあったものと思われるという見解をいただいています。あわせて、今後ですけれども、引き続き継続的に消毒等をしっかりとやっていくようにということや、さらには机、椅子の配置ですとか、または手洗い等をしっかりとやっていくようにということで、継続的に進めてほしいという見解をいただいているところでございます。感染の経路については特定できないということでございます。
古谷委員:消毒してくださいと言っているわけなのです。その中で、今おっしゃられたこともそうなのですが、分かったことをほかの学校や保護者の方にはぜひその後を説明いただきたいと思っているのです。例えば、それは当該の学校だけではなくて、ほかの学校も含めて情報共有すべきだと思いますし、情報提供すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
前田人権健康教育部長:委員おっしゃるとおりでございまして、私どもも先ほどお話をした区福、保健所のほうの見解を踏まえて校長会を通して、これは全校種の校長会ですけれども、早急に連絡をさせていただいて、そういった学校も消毒作業等も頑張っていますので、そういったことを継続していくように、その旨を伝えているところでございます。
古谷委員:ぜひその中身を保護者にも伝わるようにしっかり情報提供していただきたいと思います。
 

次に、中学校給食について伺います。
 私たち日本共産党市会議員団も、この間一貫して他都市で実施をしている中学校給食をなぜ横浜市で実施ができないのかと要望し続けてきました。まず、中学校給食実施に踏み切った理由について伺います。
鯉渕教育長:令和元年度のアンケート結果から、デリバリー型給食への保護者の期待は高く、懇談会からも学校給食法上の給食に位置づけることを含む御意見をいただきました。これらの意見を踏まえて3月に、令和3年度以降の中学校昼食の方向性を策定し、その後、課題の整理を行った結果、供給体制の確保や衛生管理について解決できるめどが立ったことから、6月に令和3年度からデリバリー型給食を実施することといたしました。
古谷委員:中学校給食を来年の4月から始めるということですが、実施の内容を見ると、まず選択式だということ。しかも想定している喫食率はたった2割だと。率直に、なぜ2割しか提供できない仕組みを選んでしまうのかというのはいかがでしょうか。
◎鯉渕教育長 本市では、小学校のような自校方式や親子方式など、学校で調理する方式での中学校給食の実施は敷地の関係で困難であり、実現可能な選択肢はハマ弁のようなデリバリー型の給食しかないと考えております。また、昨年のアンケート結果から、生徒、保護者、教職員の全てで自由に選択できるのがよいとの回答が最も多く、選択制は評価されていることから、選択制のデリバリー型給食を実施していきたいと考えております。
古谷委員:なぜ2割を選んだのかということなのですが。
鯉渕教育長:小学校六年生の児童生徒のアンケート結果であるとか、また、保護者からのアンケート結果も踏まえまして、選択制とした場合にそのぐらいが実現可能な領域ではないかということで設定しております。
古谷委員:これは本当に残念なのです。せっかく中学校給食が始まるのにたった2割しか提供できないというのは本当に残念です。選択することを今非常に強調されました。それだけ強調されながら、一方ではハマ弁をさくらプログラムで選ばせようという手だてはやっております。これは矛盾するのではないでしょうか。
鯉渕教育長:選択したい、また利用したいという御家庭の事情がありますので、そうした思いが実現しやすくなるように、登録については原則としてしていただく、また、ハマ弁を取ることを、特に一年生になった時点で、中学校生活が始まるところですので、重いかばんを持っていくというのもどうかということで、できるだけ推奨したものでございます。学校、保護者の理解を得て、さくらプログラムを実施できるところで実施したということでございます。
古谷委員:いずれにしても、選択式を言っておきながらハマ弁だけを推奨させるというのは、やはり明らかな矛盾だと思います。結局ハマ弁を給食化にするということなのですが、他都市では選択式の宅配型弁当を始めて喫食率が伸びずに次々と親子や自校に切り替えています。給食化すればハマ弁は想定喫食率に達すると思いますか。
木村人権健康教育部担当部長:今回、デリバリー型給食の想定喫食率としてお示しした数値は、プロポーザル公募の際に事業規模の目安を事業者にお示しするために設定したものです。昨年のアンケートでの小学校六年生が中学校に進学してハマ弁を毎日利用したいという割合が18.3%であることや、9月の喫食率の速報値が10.2%で、うち一年生の喫食率が約15%であることなどを考慮すると、20%は妥当な数値であり、達成できるように努めてまいりたいと考えております。
古谷委員:そもそも今まで、ハマ弁は一度も想定喫食率に達したことはありません。なぜ想定喫食率に到達しなかったと捉えていますか。
鯉渕教育長:開始前に各学校との調整が十分でなかったことなどが、利用が進まなかった要因だと考えております。ハマ弁事業5年間で当日注文の導入や献立の充実などを行い、直近の喫食率は先ほど申し上げましたように進んでおります。引き続き、味つけの工夫、それから利便性のさらなる改善を図りつつ利用促進策を展開してまいりたいと考えております。
古谷委員:現時点で、今回の中学校給食を実施するに当たって、2割で提供する給食をハマ弁方式で経費が幾らかかるのか、あるいは親子方式でどのぐらいかかるのか、伺います。
木村人権健康教育部担当部長:デリバリー型給食実施に向けた給食調理、それから配送業務に係るプロポーザル公募に当たり、想定喫食率を20%だとした場合の調理、配送、配膳等にかかる経費として概算で14億円を想定しております。事業スキームが違うため単純な比較はできませんが、親子方式を行う場合、小学校と中学校の配膳室を建設する必要があり、144校で84億円の施設整備費がかかるほかに、配送費、配膳費が別途必要になるものと考えております。
古谷委員:2割提供なのですけれども。
木村人権健康教育部担当部長:2割程度の小中学校で親子ができた場合ということでしょうか。その場合には施設費は5分の1になるのかと考えております。
古谷委員:ハマ弁はたった2割しか提供できないものを、事業費ですということで経費をかけています。親子あるいは自校は100%は当然ですけれども、私たちが望むところなのですが、そういうところで計算をしております。現時点で、自校方式及び親子方式でどのくらいの生徒に給食を提供できるのでしょうか。
木村人権健康教育部担当部長:令和3年度以降の中学校昼食の方向性を検討するに当たり、実施方式別の施設整備費の試算を再検証しました。自校方式では、食材納品動線を含めた給食室設置スペースの確保や、親子方式では区内だけではなく近隣区の小中学校の組み合わせなど、より精緻に検証しました結果、144校中、自校方式で47校、親子方式では44校が実施可能でした。重複している学校もありますので、いずれかの方式で実施できる学校は約半数の74校と試算いたしました。
古谷委員:自校、親子ですと5割できると、ハマ弁だと2割しかできないということなのです。自校方式や親子方式でまず提供できるところから提供するという考え方はなかったのでしょうか。
鯉渕教育長:自校方式、親子方式で約半数の学校での実施は、裏を返すと困難だということになります。こうした学校におきまして、自校方式の給食を実施可能とするためには校舎の建て替えが必要となりますが、昭和56年度以前に建設された学校の建て替えだけでも、事業期間は32年間にも及ぶと見込んでおります。この期間はあまりに長期間と言え、公平性に欠けると考えていることから、全校実施が唯一可能な選択制のデリバリー型給食を実施してまいります。20%とおっしゃっておりますが、我々も言っておりますが、それは希望する生徒全員を対象にしたいという考え方に基づいております。
古谷委員:希望する生徒というのはどこまで可能なのでしょうか。
鯉渕教育長:想定で2割ですが、今回事業実施に当たり、30%まで対応できることを事業者側に確認をしているところでございます。
古谷委員:法の理念に照らせば、全員喫食を目指して取組をする努力をすべきだと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
鯉渕教育長:おっしゃるとおり、学校給食法の実施基準によれば、学校給食は全ての生徒に対し実施されるものと規定されておりますが、これは努力義務でございまして、地域の実情等を踏まえ各自治体で判断するものとされております。デリバリー型給食を実施している自治体ではアレルギー対応が難しいことなどから、家庭弁当との選択制で給食を実施しているところが多くございます。本市でも希望する全ての生徒に提供できる体制を整えていきます。
古谷委員:全員喫食を努力すべきだということは、文字どおりやはり努力すべきだと思うのです。横浜で選択する力をつけるんだということでハマ弁の実践が他都市に比べてやられてきたわけですけれども、どういうところが優れているのでしょうか。
木村人権健康教育部担当部長:選択する力ということですが、基本的には中学校における食育は家庭科で知識等の定着を図っております。それを実践する場として、そういう場はなるべく多い方がいいと考えておりまして、できれば選択式の方式の中で選択する力、そういったものをつける場面を増やしていきたいと考えております。
古谷委員:先日の本会議の中で答弁されましたが、それは効果検証されていないということでよろしいですか。
木村人権健康教育部担当部長:正確なデータは取ってございません。
古谷委員:教育長、ぜひ子供たちの教育条件をよりよく広げていく、給食も同じです。全員喫食をぜひ広げていくというのが教育長の役割だと思いますが、いかがでしょうか。
鯉渕教育長:よりよい給食、昼食を目指すということの考え方の下で今般整理させていただいたのが、令和3年度に向けてデリバリー型給食をするということで御理解いただきたいと思います。
古谷委員:それがあまりにも、たった2割しか提供できないものを給食ですと言うのはあまりにも、私は、給食が始まったと本当に喜んだ御家庭もいたかと思います。しかし、中身を見るとそういうことだということであれば、非常に残念な中身だなと思わざるを得ません。ぜひこの点は改めて、ニーズ調査なりなんなりというのはぜひやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
鯉渕教育長:令和3年度に新たにデリバリー型給食を実施しますが、しかるべきタイミングでその実施検証をしてみたいと思います。
古谷委員:その際には自校方式、親子方式もぜひ選択肢に入れていただきたいと思います。
 終わります。


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