新年度横浜市予算案が発表されました。今何より優先すべきは新型コロナウイルスの感染防止の対策や市民生活が成り立つ経済対策です。しかし、予算に示された感染拡大への対応策では、PCR検査の抜本的拡充、医療機関への減収補てんもなく、きわめて不十分です。加えて困難を増している市民生活と中小企業への支援も不足しており、カジノ誘致など反市民的施策も目白押しで市民に向き合った予算とは程遠いものです。
前進した市民要望
一方で、市民の運動と党市議団の論戦・提案が反映した暮らし、福祉の分野での前進もあります。
●中小企業、小規模事業者への市制度融資の融資 枠を前年度比1.6倍の2300億円に。
●地域交通サポート事業の実施地区数の拡大。
●住宅セーフティネット事業の家賃減額補助を前 年度480戸から700戸に。
●ホームドア設置がJR山手駅、大口駅、菊名駅、 新横浜駅、長津田駅で実現。
●認可保育所定員の1512人増。
●小児医療費助成の所得制限撤廃(1.2歳児)。
●通学路安全対策費の1.4倍化。
●高校奨学金支給人員200人増の2000人。
●児童相談所再整備推進と区役所対応体制の強化。
●障害者移動支援策でガソリン券交付。
●防災スピーカー設置(90か所)
●がけ地現地調査の実施。
●保健所体制強化等。
カジノ誘致へ突進
IRカジノ推進費3.6億円 山下ふ頭再整備58億円
IRカジノ誘致にむけて、新年度中に事業者選定、事業計画作成を進め、インフラ整備調査などに3.6億円をかけ、山下ふ頭のIR事業用地整備には58億円を投じます。事業者公募にあたって、市は、山下ふ頭へのアクセス手段として幹線道路等の整備を市負担で行うと約束しており目が離せません。「未来を創る強靭な都市づくり」として、高速道路244億円、新たなふ頭・新本牧ふ頭に281億円を計上し、大型開発優先を変えていません。
巨大テーマパーク誘致の上瀬谷開発に34億円
巨大テーマパークを誘致する旧米軍上瀬谷通信施設地区開発事業に34億円、大企業を主とする誘致助成には26億円を充当し、対象地域も拡大。テーマパークの事業主体では、有力視されていた米映画会社は進出断念と報じられ、計画を立案した相鉄は、本業の鉄道事業がコロナ禍で不振に喘いでいます。事業として成り立つか否か全く見通しのない中で、花博開催に便乗して当初計画通りの事業推進はあまりにも無責任です。
市長肝いりのオペラ、バレエ上演の新劇場建設計画は、管理運営に関する調査等として3000万円を充当。また、オリンピック関連23億円、マイナンバー普及事業に90億円、コロナ感染対策に逆行する横浜版GoTo事業・MICE支援事業に2.5億円をあてます。
国保・水道料金値上げ 市民には負担増
不要不急の事業の見直しもせず、市民には国民健康保険料・介護保険料の引き上げ、水道料金値上げなどの痛みを押し付けることは、そのまま受け入れることはできません。
介護保険料は前期より300円引き上げ(月額基準額)です。当初は600円引き上げ案が示されていましたが、党市議団の提案に沿った介護保険会計の余剰金の全額取り崩しによる半減化となりました。
中学校給食始まるが…
選択制のデリバリー型中学校給食が4月から開始です。1食当たりの給食費は330円、就学援助制度の対象(約1万2千人、就学者の15%)としています。喫食率は2割想定と課題が山積みです。
予算議会で市民要望前進に全力尽くす
日本共産党市議団は、予算案を徹底的にチェック、予算組み替え提案を行うとともに夏の市長選挙がカジノNOの市政実現の場となるべく市民と力合わせ奮闘します。
予算案の概要は団ホームページをご覧ください
PDF版はこちらです。