北谷まりです。日本共産党を代表して、請願第19号、第20号、第21号の不採択について反対討論いたします。
請願第19号は、子どもたちだれもが健康で楽しく暮らせるよう中学校給食を実施することを求めるものです。
中学校給食実施について、その必要性を認め、市長にその実施を求める交渉会派は、日本共産党以外にも広がっています。ハマ弁を給食にしようというものです。統一地方選についてのタウン誌の公開アンケートにも、同様のことが書かれております。わが党の出来立てでみんなが食べられる給食という考えではないにしても、中学校給食という点では一致しています。
中学校給食実施については、文科省の調査では、市町村では95%以上が、学校では93%が実施しています。政令指定都市では20市中19市が実施です。県内の19市のうち未実施だった横須賀市、秦野市、伊勢原市、平塚市、茅ヶ崎市が次々と実施にむけ準備又は実施方針を掲げています。県内19市のなかで実施方針すらないのはこの横浜市だけです。横浜市だけが取り残されているのです。一日も早く給食実施することが横浜の子ども達にたいする私たち市会議員の責任の取り方ではないでしょうか。
請願は、シンプルに中学校給食実施を求めるものであり、その実施方法について具体的に示していません。ハマ弁の給食を主張される会派の皆さんも賛同できるものとなっています。委員会の結果にこだわることなく、ハマ弁の給食を主張される会派の皆さんが賢明なる判断をくだされることを期待します。
請願第20号は敬老特別乗車証の値上げを行わないことを求めるものです。
敬老パスは横浜市の誇るべき制度です。請願者が求めるように、この制度は高齢者の外出支援策として、高齢者に大変歓迎されています。高齢者が元気でありつづける有効な施策であることは誰しもが認めています。それは地域の活性化にもつながっています。ここに一定の税金を投入することに広く市民合意があるのも当然のことです。
この間のわが党の質問に対して交通事業者への支出額が増えていることをしきりに健康福祉局は強調しています。高齢者は、年金を主な収入として生活されています。その年金は政府のマクロスライド方針によって実質削減がすすんでいます。こうしたことから今回の請願に至ったと聞いています。このような実質収入が減少しているなかで、これ以上の負担はやめてほしいというのは高齢者誰しもが願っていることです。民意です。これに議会が背をむけていいわけはありません。
請願第21号は、国に対し、生活保護基準引き下げ中止の意見書を提出してくださいというものです。
安倍政権は昨年10月から2020年10月までの3年間、段階的に、生活扶助費を最大5%引き下げることを決定し、いまはその一年目にあたります。切り下げの根拠は、所得が下位10%に属する一般低所得世帯の消費水準が低下し、それに合わせるというものです。
消費水準の低下は、格差と貧困の拡大が進行していることの証しであり、その解決策をうつことにこそ政治と行政の役割があるのではないでしょうか。それをしないで右にならえでは、無為無策そのもので、政治責任の放棄です。住民に一番近いところにいる地方議員の一人として到底肯定できるものではありません。
「健康で文化的な生活」とは、ただ単に辛うじて生きていければいいというものではありません。適切な栄養がとれて健康・生命を維持するものであると同時に、自尊心を保てて地域活動や友人の付き合いなど、社会生活に参加できる水準であってこそ、初めて「人間らしい生活」といえます。
生活扶助基準は、すでに2013年から段階的に引き下げられ、2015年には住宅扶助基準及び冬季加算も削減されています。これに今回の削減が上乗せされ、生活保護世帯の厳しい生活をさらに追い詰める事態を作っています。今回の削減でとくに問題なのは、一人親家庭の母子加算や児童養育加算など、加算の多くが引き下げられ、子どもが多い世帯ほど削減額が大きいということです。必至になって子どもを育てている家庭への冷たい仕打ちは本当に胸が痛みます。
今年2月、2013年の生活保護基準改定をめぐり研究者164人が、「共同声明」を発表し、厚労省が独自につくった消費者物価指数「生活扶助相当CPI」で、意図的に大きくした物価下落率を根拠に、生活扶助費を減額したとして「物価偽装」による基準引下げの撤回を要求しています。
また、2018年10月の基準引き下げに伴い、厚生労働省への審査請求が39都道府県で計6142件にのぼり、厚労省資料では11年~16年 生活扶助相当CPIが5.2%上昇しているのに、基準改定には反映せず、逆に引き下げたことが、国会で指摘され、「生活保護基準引き下げ方針ありきだ」と批判されています。
生活保護の基準は、「これ以上の貧困を許してはならない」とう最低生活水準であり、それが下がれば、国民生活全体を押し下げていくことになります。いま、求められることは生活保護基準の引き下げではなく、一般低所得世帯にも生活保護世帯にも必要な支援を行い、暮らしの底上げを図ることです。
請願書の訴えは、生活者の訴えです。真摯に受け止め、横浜市会の総意として、採択しようではありませんか。以上で私の討論といたします。