議会での質問・討論(詳細)
2019年2月22日

■予算関連質問

実際の質問と答弁は一括して行われました。

古谷議員:古谷やすひこです。日本共産党を代表して、先日の荒木団長の代表質問に引き続き質問します。質問に入る前に、私たち日本共産党の予算の考え方の立場を述べておきます。市長は市民サービスを拡充することについてはお金がないといいながら、その一方で大型開発事業にはどんどん財政をつぎ込んでいます。こんなやり方は市民理解が得られるはずがありません。だから私たちは、お金の使い方が間違っていると申し続けています。以下、お金の使い方を切り替える必要がある切実な問題について質問をしてまいります。

1000億円新市庁舎に使っておいて、中学校給食やるお金がないは成り立たない

古谷議員:はじめに、中学校給食の実施について伺います。
市長は中学校給食を実施しない理由を「お金がない・敷地がない」といいますが、一方では1000億円以上もかけて新市庁舎を進めておいて、お金がないというのは横浜でも中学校給食を実施してほしいという多くの市民のみなさんの理解が得られるはずがありません。伺いますが、つまり市長は中学校給食は、本市事業の中で優先順位が低いということなのでしょうか。まず伺います。もしそうだとしたら、市長は完全に税金の使い方が間違っていると言わざるをえません。

子どもたちへのお金を出し惜しんだ結果、現場で何が起こってしまったのでしょうか。市長は現実を直視されていないのでしょうか。どんな家庭環境の子ども達でも、少なくとも義務教育の現場では、格差と貧困が持ち込まれるべきではありません。しかし実際は、本市では中学校の子どもたちの昼食時間には如実に「格差と貧困」が持ち込まれているじゃないですか。コンビニ弁当だったり、お弁当を持ってきていたとしても十分な栄養が足りていないものもあります。果ては何も持ってこれない子ども達までいる事態となっています。市長もご存じじゃないですか。こんなことは、小学校のような全員喫食の学校給食を実施していればありえない事態です。結局、横浜の子どもたちへの中学校給食の実施を、財政を主な理由で阻んできた結果、格差と貧困を学校現場の子どもたちのところにまで広げてしまった責任を市長はどう感じられていますか。伺います。

林市長:学校給食についてご質問いただきました。中学校給食の優先順位についてですが、最重要な課題と考えております。様々な意見がある中で議論を重ねた結果として、給食実施は難しいと考え、ハマ弁を導入しています。選択制の中でハマ弁をより使いやすくすることで、中学校昼食を充実していきたいと考えています。子ども達の格差と貧困についてですが、給食実施には施設整備費に多くの費用がかかるだけでなく、全校展開を考えると給食室のスペースがなく、できるところから給食を実施すると公平性に欠けるため、栄養バランスの取れたハマ弁を導入しています。

古谷議員:またハマ弁事業も、当初設定している喫食率を大幅に下回っています。価格を下げたり、メニューを刷新したり、おまけをつけたり、様々なテコ入れをされていますが、喫食率は低迷したままです。一月の最新の喫職率速報も前月を下回っています。ハマ弁の現状の生徒の喫食率についてどう評価されているのか伺います。また、ハマ弁の喫食率が低迷している最大の理由についてどう考えているのか、伺います。

通常、市の施策や事業を継続したり拡大したりする場合には、それを行う根拠やデータを示すことを必要です。このハマ弁事業に照らしてみれば、本事業を継続する・事業拡大しようとする客観的な根拠は何か、伺います。

林市長:昼食の用意が困難な生徒に対し、ハマ弁による支援を行っていますが、より多くの生徒に 支援が行き届くように、31年度より就学援助等を対象者を拡大いたします。生徒の喫食率に対する評価についてですが、教職員を含めた全体の喫食率と選べると、生徒だけの喫食率はやや低くなっておりますが、昨年3月と比べると2倍に増加をしています。学年が変わることに喫食率も増えており、1年生は3.0%となっていることから、新入生に向けてのPRを強化し喫食率向上にしっかりと取り組んでいきます。生徒の喫食率が低迷している最大の要因ですが、原則7日前に注文しなくてはならないことに加えまして、周りが食べていないので頼みにくいという声が多くあります。食べたくても利用しにくい雰囲気があると考えております。そのため、当日注文の全校展開、ハマ弁デーや新1年生へのPRなどを実施し、ハマ弁をより利用しやすい環境づくりに取り組んでまいります。

鯉渕教育長:ハマ弁事業を継続拡大する根拠についてですが、1月に喫食率が若干下がりましたのは、インフルエンザの影響と考えております。ハマ弁ウィークなどで食べていただいた生徒の皆さんからは評判が良い状況にあります。今年度、当日注文試行しているモニター12校では、喫食率が6.3%になっております。その中で当日注文による喫食率が1.6%を占めておりまして、一定の効果があることから、31年度は全校で展開致します。また、ハマ弁による支援について、これまで保護者不在など個別の事情要件としてきたことから、申請が想定より大幅に少ない状況にありました。そこで31年度より就学援助等を対象者に拡大するものです。以上、ご答弁申し上げました。

古谷議員:今議会でも民権フォーラムが、そして公明党が、中学校給食の実施について要望しています。つまり私どもも含めて自民党以外は、議会の多数は、中学校給食の実施について言及しているわけですから、ハマ弁が低迷している中、どういうやり方で横浜での中学校給食を実施するのがいいのか検討する時期に入ってきているのではないでしょうか。市長の見解を伺います。

林市長:給食実施の検討時期に入っているとのことですが、ハマ弁は本市と事業者とで28年度から5年間の協定を締結しております。32年度で終了します。33年度以降については、選択性の良さを活かしながら様々な課題や意見等を踏まえ、より使いやすいハマ弁となるように検討を行ってまいります。

【第二質問】

古谷議員:中学校給食について施策としては最重要だと考えておりますと答えられました。しかし、検討予算すらついていません。カジノには粛々と検討予算をつけておきながら、なぜ中学校給食に検討予算をつけないでしょうか。カジノの方が優先順位が高いということなのか、伺います。

林市長:中学校給食は、大変重要なことなのに、なぜ予算を、調査等をですね、次回どうするかとか、そういう事の調査費をつけないかっていうことについてでございますが、今、私としては、現在の三つの選択肢ということは、やり遂げたい方向性と言うか、間違っていないという気持ちがございます。そういうことにおきまして、だからといって、様々な家庭においても保護者の皆様のご意見を聞かないということではございませんけれども、そういう意味で、例えばIRの1000万円の調査費とは同じにしてないということでございます。

古谷議員:先ほど答弁いただいた来年度の予算での就学援助対象の方に、ハマ弁の無料提供範囲を広げるということを答えられました。格差と貧困を解消するための効果は、限定的だと思います。東京の町田市では現在選択肢のデリバリー給食実施しておりますが、本市と同じように申し出があった擁護世帯には、無償でデリバリー給食が提供されます。ある報道によれば、必要な子どもの半分しか利用していないということであります。デリバリー給食が嫌で昼食が食べられない子どもが一定数いたり、弁当を持ってこれない子が市全体で数100人いるという事態だそうです。こういう他都市で起こっていることを、横浜でも同じ失敗を繰り返すんでしょうか。伺います。

林市長:格差是正になっていないのではないかというお話ですが、他都市の話をされていましたが、私は、申し訳ございませんが、その件については、他都市の動向について存じ上げておりませんでした。ここでお答えすることはできません。市としては、今の状況でしっかりやっているという認識でございます。

古谷議員:関連して、一昨日の答弁の中で、中学校の昼食時間について、15分しか食事時間がないことについて、改善を求める質問に対して、ゆとりある昼食時間を確保することは大切だと、いくつかの学校で昼食時間を伸ばす検討が始まっていると、教育長は答弁されました。この問題は、2017年の市長選を終えて、すぐの第3回定例議会の本会議場で私が質問して改善を求めたものです。

改善が図られようとして検討してることは歓迎です。また横浜で中学校給食が導入された際の条件づくりにもつながるものです。ゆとりある昼食時間の確保を一刻も早く全校に広げていくべきと思いますが、教育長に伺います。

鯉渕教育長:中学校昼食に関係しまして、昼の昼食時間15分ということについてご質問いただきました。先日の答弁でもさせていただきましたが、私どもも食育の観点から昼食時間が短いのではないかと思っておりまして、現在全ての中学校と相談をしているところでございます。それから中学校給食の今後の在り方についての調査費のことですが、32年度までの契約となっておりますので、33年度以降の取り扱いにつきましては、特に調査費を用いることなく、しっかりと検討してまいります。それから、就学援助対象者に拡大することにつきましてですが、私も子どもの貧困対策は大変重要な対策だと思っております。まずは、就学援助の対象者に拡大させていただきまして、その状況を確認してもらいたいと思っております。

カジノ誘致が白紙なら、山下ふ頭再開発を白紙に戻せ

古谷議員:次に、横浜へのカジノ誘致について伺います。

カジノを含むIRの「特定複合観光施設区域整備法施行令(案)」が2月1日に総理官邸ホームページで発表され意見募集が呼びかけられています。この施行令について、ご覧になられた市長の見解を伺います。これを見れば、広大な面積規模と言い、様々な複合施設といい、あらためて山下ふ頭の再開発計画と一体化して見えてくるのは私だけではないと思います。

市長、白紙だと言いながら突然数か月後に山下ふ頭にカジノを誘致するなんてことは、市長はまさかしないと思いますが、念のために伺います。

大阪でIR構想が発表されました。大都市部でのカジノ誘致された場合の具体案が示されたわけですが、市長も読まれたと思いますが、感想を伺います。

横浜で施行令に沿ったIRを立地させるとしたら山下ふ頭しかないのではないでしょうか。市長、もし白紙だという言葉が真実の想いであるならば、一旦、山下ふ頭再開発計画は白紙に戻すことがその証明になると思いますがどうか。伺います。

林市長:IRについてご質問いただきました。IR整備法施行令案についての見解ですが、IRの中核施設の具体的な基準や用件のほか、カジノのゲーミング区域の床面積の上限、カジノの広告物の表示等が制限されない施設、カジノ事業の免許等の欠格事由などが示されました。今回示された内容以外に政省令や規則などで定められた事項は多く、IRについて判断するには、今後も引き続き、これらの情報を収集分析することが必要と考えております。

大阪府と大阪市が公表したIR基本構想の感想ですが、大阪府と大阪市はIRについて積極的に検討されていると受け止めております。山下ふ頭開発計画とIRの関係についてですが、山下ふ頭再開発計画は、都心臨海部における新たな賑わい拠点となるハーバーリゾートの形成を目指すものでありIRが前提としておりません。IRについては政省令や規則などで定められる事項の多いため今後も、情報を収集分析し横浜市にとって一番良い方法は何かを考えまいります。

性的少数者等の基本的人権の尊重を

古谷議員:次に、性的少数者等の基本的人権の尊重について伺います。

先日、横浜在住の同性カップルが生活上にうけている多岐にわたる不利益を解消させたいとして区役所に婚姻届を提出しました。しかし横浜市からは「不受理」の連絡がきたとの記事が2月11日付の神奈川新聞で掲載されました。

例えば法律婚をしていれば一方の配偶者が亡くなった際には残された側は相続権が保障されるが同性カップルには適用されません。子どもがいる場合には共同で親権を行使できず、安定した親子関係を築けません。また意識不明の状態で病院に運ばれた場合にも面会や緊急手術のサインができない場合もあります。また一緒にローンを組むこともできず将来設計が描けません。市営住宅の申し込みもできません。市長はこの現状を聞いて、現在、同性カップルも含めた性的少数者の権利がここ横浜で守られているという認識なのかどうか、伺います。

林市長:性的少数者の基本的人権の尊重についてご質問いただきました。性的少数者の権利に関する認識ですが、多くの当事者の方々が、学校や職場で差別的な言動を恐れ、公言できない実態があります。

古谷議員:国での法改正が行われるまで待つのではなく、地方自治体で同性カップルへの権利擁護のためにやれることをやるべきです。LGBT等が生きやすい社会づくりを目指しているNPO法人「虹色ダイバーシティ」の調べによれば、大阪市79組、札幌市61組、福岡市37組、千葉市7組をはじめ全国で349組が地方自治体の同性パートナー認知されています。都道府県単位として茨城県でも検討が始まり、県内でも横須賀市がこの4月から始める意向です。いつまで様子を見るのでしょうか。全国で始まったパートナーシップ制度を横浜でも創設して、先ほど述べたような様々な侵害されている権利を守るために動くべき時ではないか。見解を伺います。

林市長:同棲カップルの方々は、税や健康保険制度において配偶者と認められないこと、法的相続人になれないことなど、婚姻関係にある夫婦に認められる権利と比べ、様々な課題があると認識をしています。パートナーシップ制度の創設についてですが、導入した都市によって内容に様々な相違があります。いずれも税や相続など、制度に対する効果はありませんが、パートナーシップ制度に対する市民や周囲の関心が高まっています。引き続き、当事者の方々に寄り添いながら、どのような支援が必要か、しっかりと見極め、施策の充実を図ってまいります。

【第二質問】

古谷議員:市長、性的少数者の方の権利について、守られていないから、今、実名を公表してまで、国を相手に一斉に提訴しているではないですか。市長、現状で権利が守られているとかどうか、再度伺います。

林市長:性的少数者の方に対してどうなのかということでございますが、これはもう本当に、今横浜市は体制として大いに課題があると考えております。ですから、様々な都市によっても違いがあるという風には、いろんな地域によっても考え方であるとか、体制の問題とか、いろいろその仕組みについてどういう体制を敷いているかという現状があると思いますけれども、ちょっと私は、横浜市は遅れてると思っております。31年度に、これはしっかりと検討していくということでございます。

学童クラブへの支援強化を

古谷議員:次に、放課後児童クラブへの支援の拡充について伺います。

予算は拡充したというものの、昨年と比較して700万円程度しか増えていません。今回の予算計上で減らしたものの中には、「キャリアアップ加算」「障害児加算」が含まれています。これらはそもそもニーズが高いものであるのになぜ減らすのでしょうか。実態に合わせて減額をするのではあまりにも冷たすぎます。どうやって受け取れる制度にするのかを工夫すべきです。また今回の予算で、全ての放課後児童クラブが面積基準や耐震基準などの基準適合しなければなりません。しかし、昨年と比べても人員配置も増やさないままです。本気になって全ての放課後児童クラブで基準適合させようとしているのか疑問です。基準適合していない放課後児童クラブ一つ一つにしっかりと寄り添って対応するための人員を増やすことが来年度は特に必要なのではないでしょうか。見解を伺います。

林市長:放課後児童クラブについて、ご質問いただきました。基準適合のために増員すべきとのことですが、クラブの支援を直接おこなっている区役所の意見を反映し、31年度予算案に必要な支援策を計上しました。こども青少年局が区役所をしっかりバックアップし、基準適合に取り組んでいます。保護者に直接減免補助を行うことについてですが、放課後児童クラブの利用料はクラブが決定し、保護者が支払う仕組みになっています。そのため減免の場合にも、保護者がクラブに申請していていただくものと考えています。なお、個人情報の適正な取扱い関しては、毎年クラブ内で研修するように義務付けております。

古谷議員:ひとり親世帯への減免補助については、根強い要望が横浜学童クラブ連協からは出されています。実際、横浜学童クラブ連協加盟のほとんどのクラブで、少ない運営費の中でやりくりをして独自減免を行っています。しかし横浜市はひとり親世帯への減免補助は行っていません。なぜなのか伺います。

林市長:ひとり親世帯等の減免補助の創設についてですが、国には減免制度がありません。本市では財政状況が厳しい中、生活保護世帯等に対する減免を行ったクラブに対して、独自に補助を行っています。国に対しては、ひとり親世帯への利用料減免制度の創設をもとめておりまして、引き続き国に強く働きかけていきます。

古谷議員:本市は、非課税世帯や生活保護世帯を受け入れた場合、クラブへ2500円補助を行っていますが、そもそもクラブへ補助を出すということは保護者は減免してくれということをクラブに言わなければならず、申請を控えるケースがあることは市も認識されています。実際に必要な方全てが申請できるような制度にはなっていないと思います。この点、改善が必要だと思うがどうか、伺います。

林市長:クラブの人体制に対する認識ですが、夏休みなどは退所時間が長く、期間も長いことから、特に人員確保に苦慮してるとの声を聞いております。そのため人材確保を支援する取り組みも始めました。子ども達に安全で安心な放課後の居場所の提供できるように運営支援にしっかりと取り組んでまいります。

古谷議員:国の職員資格の及び配置基準の参酌化の流れについてです。今でさえ、放課後児童クラブの人員体制について人員を確保することや長く働き続けてもらうことには各クラブが苦慮していることを市長も知ってらっしゃると思います。そんな厳しい現状の中現行基準を緩めることは考えられません。現行基準を守る立場に立つことを表明すべきと思うがどうか?伺います。

林市長:現行の配置基準を守るべきとのことですが、国の法改正は、実際の状況に合わせた柔軟なクラブ運営ができるようにするものと受け止めております。本市としては、子ども達の安全安心がしっかりと確保されることを第一に考え、検討してもらいます。

【第二質問】

古谷議員:学童のひとり親世帯への補助すらできないと答えられました。それこそがお金の使い方が間違っているところだと思います。

林市長:ひとり親世帯に対して補助が少ないってことでございますけども、何か繰り返しで申し訳ございません。横浜市としては、必要な予算には最善を尽くしてですね、今つけさせて頂いてるというふうにお答えをさせていただきたいと思います。先生との見解はちょっと違うと思いますけど、私はそうお答え申し上げたいと思います

生活困窮者の住まいの確保に行政が責任を持って

古谷議員:次に、生活困窮者の住まいの確保について伺います。

先の議案関連質問で、他の行政区から中区の簡易宿泊所へ500名を超える生活保護利用の方が紹介されてきていることを明らかにしました。生活保護法の第30条では、「生活扶助は、被保護者の居宅において行うもの」としています。これができないときは、「被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所」させるとしています。しかし本市の救護施設・更生施設の実態は、満員ですぐには入れない状況です。だから、生活保護のケースワーカーさんたちもしかたなく簡易宿泊所を紹介しているために、結果、簡易宿泊所が施設代わりになっているんじゃないでしょうか。

公的な救護施設・更生施設がもっとあれば、簡易宿泊所頼りになることはありません。増設が必要だと思いますがどうでしょうか。

林市長:生活にお困りの方の住まいの確保についてご質問いただきました。共用施設や厚生施設を増設すべきとのことですが、救護施設等については、ニーズ調査を毎年行っており、その結果に基づき、施設整備を進めてきました。現状では、申し込みをしてから概ね一か月程度で入所できており、新たな施設を設置するまでのニーズではないと考えています。なお、入所者に対しては自立に向けて帰宅生活訓練などを行い、地域への移行支援を清めています。

古谷議員:また、希望があれば転居支援をしていると市長は答弁されましたが実際には十分にできていません。ある簡易宿泊所で実態を伺うと、年単位で住まわれている方はざらで、終の棲家になっている実態もあります。アパートの設定が困難であるのは、裏を返せば転居支援を行う体制があまりにも貧弱なことが問題です。担当するワーカーさんの平均担当世帯数も年々増えている状況の中で、一人一人寄り添った対応ができるはずがありません。これは問題です。区役所での住まいの確保支援の向上のためにも、ケースワーカーの担当世帯数を減らすべきだと思いますがどうか伺います。

林市長:ケースワーカーの担当者回数を減らすべきとのことですが、本誌ではケースワーカーに加え、就労支援専門員や、教育支援専門員を配置し、生活にお困りの方への相談や、人生に向けた支援を連携して行なっています。また、その他に事務嘱託員を配置し事務負担を軽減しています。こうしたことによりケースワーカーが相談や支援に重点を置いた対応を行っています。

4653人が「保育園落ちた」現状の早期対策と抜本的な改善を

古谷議員:最後に、待機児童問題について伺います。
先日、この4月からの本市の保育所等利用新規申請状況が明らかになりました。18481人が利用申請して、内定したのは13828人。残りの4653人が一次申請では保育園が落ちたということになりました。当然、これから二次利用調整が行われていると思いますが、そもそも毎年毎年大量の保留児童が出ている今の横浜市の保育行政。もっと正確にニーズをつかんで必要な施設整備を行うべきです。

2月の初めに、4月の保育園が決まっていない状況というのは、職場に復帰できるかどうかなど切実な問題です。もし受け皿が足りないというのであれば、行政の怠慢です。SNS上では、「#保育園落ちた#横浜」として、たくさんの声が出ています。

「通える範囲で10以上書いて希望園全て落ちた。二次募集一歳児枠ゼロ。働かなきゃ生活できないのに。」「保育園落ちた。保留児童なので待機児童ではありません!って書かれてもね、同じだよ。二次申請受け付けているところって区内でもかなり遠い。」「生まれて二週間で保育園の申し込みをして4月からの入園に賭けたのに落ちた。保留児童の仲間入り。通いにくい非現実的なところの申し込みをするしかないのかな。」こんな声が出ています。

最終的には二次利用調整をしても不満が出されています。申請された方に対して、一連の選考過程について、説明責任を市は果たすべきだし、積極的に説明することを広報すべきと思いますがどうか、伺います。

林市長:待機児童についてご質問いただきました。申請者に対する選考過程の説明責任についてですが、保育所等の利用調査にあたっては、保育の必要度に応じた優先順位の基準を定めています。その基準を利用案内やホームページで広く周知しています。また、申請者から開示請求があった場合には、利用調整結果に関する個別の状況について示しています。

古谷議員:私は、待機児童問題を解消するためには、3つの視点が必要だと思います。一つは、ニーズに合わせた認可保育園の増設。もう一つは、保育士の抜本的な処遇の改善。そして最後は現行の保育士の配置基準の引き上げ。この3つが伴わなければ待機児童問題を解消することはできません。

では今年度予算ではどうでしょうか。保育ニーズに基づき保育所整備を進めているというものの、毎年保留児童数は4000名を下ることはありません。全国一の保留児童数です。今までの保留児童数の推移を鑑みて、保育ニーズ見込みを見直して、保留児童を減らすような施設整備に取り組むべき思うがどうか伺います。

林市長:保留児童を減らすよう整備すべきとのことですが、保育ニーズの見込みは5年に1度、ニーズ調査に基づき算出しています。この数字の中には横浜保育室、一時保育の利用者など様々な状況の方がいます。コンシューズが保護者の状況をきめ細やかにお聞きし、適切な保育施設をご案内するなど、一人でも多くの方が利用できるようにすることが大切だと考えております。

古谷議員:今後、幼児教育の無償化が実施され、さらに保育需要が高まります。施設整備を進める際には、当然保育現場で働く方々の処遇改善や配置基準のさらなる引き上げも必要ですが、見解をうかがいます。

林市長:保育士の処遇や配置基準を改善すべきとのことですが、経験年数7年以上のすべての保育士等に対する月額4万円の処遇改善を引き続き、本市独自で実施します。さらに、国の新しい経済政策パッケージを踏まえた1%相当の処遇改善も実施します。配置基準はすでに本市独自で国基準に上乗せしておりまして、現時点でさらなる引き上げは検討しておりません。引き続き、保育士確保に全力で取り組んでまいります。

古谷先生のお話の通り、この保育士さんの処遇改善については、大変私も課題だなと思っております。やはりこれを解決することが、非常にですね、子ども達の保育に対して、大切な基本的なことであろうかと、本当にこのまま行きますと、介護の方もそうでございますけども、私自身も心配でなりません。ですから、市としては、できることを本当に今、最善にという考え方でやっておりますので、引き続き国に対してもですね、改善については、いろんな機会を通して、訴えをしているところでございます。よろしくお願い申し上げます。

【第二質問】

古谷議員:待機児童についてですが、こんなに苦労するなら子どもを産むんじゃなかった。こんな悲痛な声まで聞いています。必要な整備数の拡充をすべきです。再度見解を求めます。

林市長:待機児童の施設整備の拡充についてもっとしっかりやれというかですね、足りてないじゃないかっていうことでございますが、ただ私としてはですね、この横浜市の人口のスケールにおいてはですね、かなり私は精一杯やってるんじゃないかと考えています。私自身がもう本当にこれは自分の信念で行っておりますのでね、または無償化になってきます。さらにあの大きな問題が、またそれに対応してるのは厳しいですが、その中で決してですね、担当の子ども青少年局も決して諦める事をしておりませんし、なにしろ一人でも保護者の方に、お子さんに寄り添いたいという気持ちでやっております。先生のご意見は、十分それをお伺いしておきますけど、今の段階ではそういうふうに答弁させていただきたいと思います。以上ことを申し上げました。


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