※実際には質問と答弁はそれぞれ一括して行われました
高校生の就学支援を
北谷議員:北谷まりです、日本共産党を代表して質問いたします。先ず子どもの格差と貧困の解決について伺います。はじめに、高校生への支援についてです。
日本では、ほとんどの職種で、「高卒」以上の学歴が求められ、高校等進学率は、97%を超えています。中学校までの、学校教育のなかで、傷つけられ、学ぶ場を、失ってきた子どもたちも含めて、すべての子どもたちの、思春期後期の、学ぶ権利を、保障するのが、高等学校の今日的役割です。しかし、現実には、経済的な困難をはじめ、様々な困難を抱えながら、なんとか高校生活を維持している、子どもが多くいるのです。
2016年度、横浜市立高等学校の卒業率は、全日制98.3%、定時制73.1%であり、部活動参加率は、全日制では8割以上、定時制は約2割となっています。
そこで、私は定時制の市立高校にうかがいました。毎週水曜日の午後、「ようこそカフェ」をやっています。NPOなどによって、無料の軽食や飲み物が、提供され、悩みごとの相談ができる場が、設けられています。利用人数は1回あたり、約197人で、ここでの食事が、1日の、最初の食事である生徒や、寄付された、レトルト食品を、カバンにつめて持ち帰る生徒も、いるとのことです。修学旅行は、授業編成の関係や、経済的理由で未実施、ディズニーランドへの遠足は、全校生徒、約1,100人中、バス1台、約50人の参加。そして、1年間で、約100人の生徒が退学、「アルバイト専念」の理由が、増えているそうです。今日明日の生活のために、アルバイトに、専念しなければならない高校生と、その家庭を、現行の制度では、救えていない実態が見えてきます。
現在高校2年生が、中学3年生だったとき、約4500人が、就学援助を受けていました。高校に進学しても、引き続き同様の支援は、必要ではないでしょうか。また、児童手当は、義務教育終了までのため、低所得世帯にとっては、痛手となっていることから、なんらかの対策が必要です。どのような対策を打つのか、あわせてうかがいます。
本市の高校生奨学金は、家計収入年間800万円以下の、家庭の生徒に対し、年額6万円の支給です。しかし、学業成績5段階評価で、平均4以上という、厳しい成績要件がついています。2016年度、1年生は239人が受給です。この年齢の生徒が中3の時、約4,500人が、就学援助を受けていたことをみれば、支援を必要としている生徒の、5%にしか、届いていないことになります。相模原市は、2018年度、市内在住の市民税非課税世帯の、すべての高校生が対象となる、成績要件のない、給付型奨学金制度を導入します。入学準備金2万円、年間10万円の支給です。本市でも、貧困世帯を対象とした、成績要件のない、奨学金制度を創設すべきですが、いかがですか。
そして定時制には、働いている生徒などを対象に、教科書費の、実費支給が法定されています。2016年度、定時制夜間部1年生、159人在籍に対し、支給は68人でした。国の通知の対象者要件から見ても、少なすぎます。申請主義では、対象要件であっても、行き届かない実態から、教科書の、現物支給はできないのかどうか、うかがいます。
また夜間定時制生徒は、給食をとる場合、毎月、1食当たり300円を、前払いして申込みます。扶助制度を利用すれば、年度末に1食当たり、180円が償還されます。1度の出費が大きくなるため、給食を諦める生徒が、いるかもしれません。また、制度がどこまで、保護者に伝えられているかも、はっきりしていません。2016年度は、申請者は3名だけです。
生徒ひとりひとりに、制度が知らされるよう、家庭訪問や個別の面接など、丁寧に周知していくことが必要です。また、低所得世帯にとって、1年後の償還では遅すぎます。負担の重い、前払い制の廃止、1ヶ月ごとの償還など、低所得世帯の実態にあった、改善が必要と思いますが、あわせて伺います。
林市長:北谷議員の御質問にお答え申し上げます。子どもの格差と貧困の解決について御質問頂きました。
児童手当と就学援助が終わる義務教育終了後の低所得者世帯への対策についてですが、家庭の経済状況により、子供の養育環境に格差が生まれたり修学の機会や選択肢が狭まらないようにすることは大切です。
そのためには、教育福祉子育て支援等の連携を図り、総合的に推進していくことが重要と考えています。
岡田教育長:子供の格差と貧困の解決についてご質問いただきました。
成績要件のない低所得者世帯高校生の新たな奨学金制度の創設ですが、現在の本市独自の給付型奨学金の他、授業料にあてる就学支援金や生活保護世帯及び市民税所得割非課税世帯に向けた高校生等奨学金給付金の制度が既にございます。
本市の給付型奨学金は年収800万円以下としておりますが、相模原市の新制度につきましては市民へ税所得割の非課税世帯を対象すると伺っております。新たな奨学金制度の創設につきましては、国や県の動向を注視しながら必要性の有無を検討していきます。
夜間部生徒の教科書の現物支給ですが、定時制課程の生徒への教科書購入費は、支給要件に基づき就業状況の確認を行うため、生徒がまず費用を負担し、それから支給の手続きを進める制度となっております。仕事と学業の両立を目指す生徒への支援であるため、就業実績を確認しています。なお生活保護世帯の生徒には別途の支援があります。教科書実費支給、失礼しました。夜間給食扶助制度の周知と夜間給食扶助の支給方法についてですが、新入生に対しては入学説明会で給食についての資料を配布した上で、仕組みや料金経済的に支払いが困難な方のための扶助制度について説明をしています。また在校生に対しても進級のタイミングで担任を通じ再度周知を行っています。引き続き丁寧な周知に努めてまいります。給食扶助費の交付につきましては、毎年2月に生徒からの申請に基づき直近の世帯収入が受給要件に該当するかを確認し、受給対象者を決定しています。
その後受給対象の生徒が、3月に当該年度の申し込み実績に基づき給食費の扶助の申請を行い支給をしております。直近の本人を含めた世帯の収入状況を受給要件としておりますので、毎月の精算については申込者に手続き上の負担が大きくなるため、利用促進には繋がらないと考えています。
医療へのアクセスが困難な子どもへの支援強化を
北谷議員:次に、医療への受診が困難な子どもたちの、救済についてです。
2016年度、横浜市学校保健統計調査によると、歯科受診の未受診者数は、小学校で2,724人、中学1年生は662人で、教育委員会は中学2年生、3年生の分は、実態を把握していません。また、抽出データから、歯科検診受診者のうち、虫歯罹患率は、中学校14%、高校28%、定時制高校50%と推計されます。高校で数字が上がるのは、不登校などで、小中学校で検診を受けていなかった生徒が、高校に入学後、検診を受けられるようになった結果だと聞いています。小中学校時代に、検診を受けられないまま、放置されているのは問題です。学校保健安全法 第13条で、「学校においては、毎学年 定期に、児童生徒等の、健康診断を行わなければならない。」としており、これは、全員が受けることが、原則と解釈するべきです。小中学校で不登校状況であっても、在籍している児童・生徒の健康診断が保障されるよう、対策を講ずるべきですが、どうか伺います。
就学援助には、トラコーマ、中耳炎、虫歯などの、学校病治療費が含まれています。しかし、援助利用には、学校で発行する治療券が必要であり、保護者の申請が必要です。2016年度、就学援助受給36,488人のうち、虫歯を治療するため、治療券の使用実績は312件です。罹患率からみて、少ないと思いますが、保護者にきちんと周知がはかられているのでしょうか。就学援助認定時や、検診の受診勧告時に、保護者に治療券の案内文書を配布するなどして、周知をはかり、利用しやすくすべきですが、見解を伺います。
高校生は、医療費は自己負担のため、経済的に厳しい家庭の子どもの医療は、後まわしとなり、歯医者に行きたいと親に言えずに、学校から受診勧告の用紙をもらうことで、はじめて親に言える子もいると聞いています。子どもが医療にかかれない状況は、なくすべきです。市長は2019年4月から、小児医療費助成を中3までにすると、おっしゃっていますが、それに合わせて、所得制限と一部負担金をなくし、高校卒業までの、医療費助成を検討すべきです。見解をうかがいます。
林市長:小児医療費助成制度の拡充についてですが、年齢拡大については31年4月から中学3年生までの拡大実施に向けて準備を進めています。また所得制限については、緩和の方法や時期について様々な角度から検討していきます。なお自己負担金については、持続可能な制度となるために導入したもので、財政状況などを踏まえた検討が必要だと考えています。
岡田教育長:不登校児童生徒の健康診断についてですが、学校で健康診断を実施する際には不登校の児童生徒にも学校からのお知らせなどで事前に本人や保護者に連絡をし、受診に繋がるよう努めています。また実施にあたりましては、児童生徒の状況に合わせて時間の変更や別室での受診など、受診しやすい環境をつくる様配慮をしております。就学援助の学校病治療券の周知についてですけれども、学校病治療券も含め就学援助の生徒につきましては、年度初めに全児童生徒に周知をしております。各学校においては、健康診断後の受診のおすすめを渡す際に再度制度のご案内をするなど状況に応じて対応しているところですが、今後も丁寧に周知に努めてまいります。以上、ご答弁申し上げました。
“しおり”での生活保護の申請抑制につながるような表現は是正を
北谷議員:次に生活保護についてです。
党市議団は、夏に信州大学で行われた、生活保護問題対策全国会議等が主催した、議員研修会に参加し、生活保護制度の基本を、改めて学んできました。
生活保護法第1条は、「この法律は、日本国憲法、第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。」と定めています。この1条について、法制定時の、厚生省社会局保護課長は、法1条は、単なる装飾的条文ではなく、最も実働的な条文であって、この制度の運用にあたっては、常に、その指針となる性質のものと、指摘しています。そして、扶養義務については、2014年3月3日に開催された、厚労省 社会・援護局 主管課長会議の資料には、「生活保護制度では、扶養義務者からの扶養は、受給する要件、前提とは、されていない」と、明記されています。
ところが、横浜市では、生活保護の相談者に説明するときのしおりには、法1条について、触れていません。それどころか「親、子、兄弟姉妹などから、援助を受けられるときは、まずその援助を受けて」、 「離婚などにより、ひとり親になった方は、養育費などを受けられるように、努力して」となっています。市民が、しおりの表記が、要件と受けとめ、申請をあきらめることになれば、申請権の侵害にあたります。法や国の、見解の主旨に沿って、扶養義務は「要件ではない」ことを、しおりに明記するよう、改めるべきですが、見解を伺います。
また、市のしおりには、「あなたの世帯にある資産、土地、家屋、自動車などで、保有が認められないものは、売却などの処分をして、生活費にあてていただきます。」となっています。厚生労働省は、処分するより、所有している方が、生活維持、自立の助長に、効果がある場合は、保有が認められるとして、土地、家屋など、資産保有容認の範囲を、表示しています。国の方針は、正確に市民に、知らせるべきです。自宅等を処分しなければ、生活保護の申請が、できないかのような、誤解を受ける表記は、改めるべきですが、見解を伺います。
林市長:生活保護についてご質問いただきました。生活保護のしおりの扶養義務に関する記載ですが、親族から援助を受けることができる場合は受けて頂く事が原則ですが、援助は可能な範囲で行うものでありまして、親族がいることによって生活保護の利用ができないと言うことにはなりません。そういう意味で北谷先生おっしゃっていましたけども、誤解をされてるんではないかという御意見でございますが、私もそう思います。横浜市のしおりの記載内容についてですね、次年度より誤解がされることのない様により丁寧な記載を検討しております。
資産に関する記載ですが、現に住んでいる自宅があることによって保護の申請を妨げるものではございません。資産に関する記載内容について扶養義務と同様、次年度に向けてより丁寧な記載を検討してまいります。今後の生活にお困りの方が確実に制度へ繋がるようにより丁寧な相談につとめて参ります。
税金の滞納等は「市民からのSOS」と捉え、生活支援の強化を
北谷議員:次は、生活保護に至る前の段階の、生活困窮者に対する、支援についてです。
党市議団では、本市の、生活困窮者支援施策を、拡充する目的で、「一人ひとりに寄り添って、課題解決」に、先進的に取り組んでいる、滋賀県野洲市を、視察してきました。支援策の入り口は、相談窓口です。2016年度、自立相談支援事業の、新規相談者数は、人口5万人の野洲市は、179人、人口373万人の横浜市は、4,436人です。相談者数は、人口千人当たり、野洲市は、3.5人、対して横浜市は1.2人です。横浜市では、生活困窮者の割合が、他都市と比較して、特に少ないという話は聞いていません。横浜市の場合、生活困窮者自立支援法にもとづく、この新制度が、該当する市民をカバーできていないのでは、と憂慮するところです。
野洲市では、市民の相談を担当している、生活相談課の職員は9人で、消費生活専門相談員、社会福祉士、フィナンシャルプランナーなどの有資格者を配置しています。私の地元、人口、20万7千人の、保土ヶ谷区は、生活支援課で、自立困窮相談にあたる、常駐の職員は、主任相談員1名、嘱託の相談員2名だけで、その他に、一人の係長が保土ヶ谷、瀬谷、旭の3区を巡回しています。常駐相談員は、保土ヶ谷区では、69,000人に1人、一方、野洲市では、5,667人に1人となります。横浜市の職員は、少なすぎます。
税・保険料が払えないと、区役所に納付相談に行ったところ、生活支援課を紹介され、家計簿のつけ方を教えられただけだった、との話を聞いています。仮にその相談者に借金があれば、専門家による債務整理の相談など、適切な支援に、つなげなければなりません、が、現実はやろうと思っても、できない体制であることがわかります。これでは、法が活かされていないと、言わざるを得ません。生活上の、複合的な問題を解決するには、丁寧な、寄り添いが不可欠です。生活相談に当たる職員を、大幅に増やすべきと思いますが、見解を伺います。
また、別の相談者は、区役所窓口で納付相談で、生活に困っている旨を訴えても、事務的に計算をして、「これなら払えるはずだ」と、一方的に言われて、追い返されたと、途方に暮れていました。ここには、困った市民を助け、生活改善・納付につなげるという姿勢は、全く見られません。人事考課をテコに、収納率向上を現場に押し付ける、市長の行財政政策の結果です。滞納者を、困った人、市政に迷惑をかける人と、見ているのが、伝わります。健康保険料収納のための、差し押さえ件数は、2011年4625件から、2015年度は13,134件と、3倍化です。自治体の役割は、市民や企業の成長を支えることと、困難な状況にある、市民や企業の自立を支えることにあります。
この役割を果たそうと、野洲市長は、「くらし支えあい条例」をつくり、市は組織あげて、生活困窮者等の発見に努めるとともに、市民の支援を総合的に行う、全庁的な委員会も、設置しました。市長を先頭に、すべての職員が、困っている市民は、自ら相談に来ない、来られない、との視点に立ち、滞納を、市民からのSOSとして捉え、行政が積極的に対象者を発見し、生活支援につなげています。頼りがいのある行政、市民生活の安定こそが、今後の、長期的な納付意欲の向上につながる、という共通の認識を持ち、職員の「市民の命を守るのが、私たち公務員の仕事」との言葉に、行政のあるべき姿を見た思いです。
市長、納付率追求のみを、職員に強いることは、問題です。滞納は、生活状況のシグナルととらえ、困難な生活状況にある、市民を助けるために、市役所の、全機構あげて取り組むというメッセージを、職員と市民に発するとともに、その保障として、条例制定など必要な措置を、講ずるべきと思いますが、どうか伺います
林市長:生活困窮者自立支援制度についてご質問いただきました。支援にあたる職員についてですが、区役所生活支援課の窓口では幅広い相談の内容を包括的に受け止め、一人一人の課題に寄り添ったきめ細かいサポートを行っております。区役所の人員体制については、今後とも業務量の推移などを見ながら適切に対応してまいります。全庁的な取り組みについてですが横浜市では区役所生活支援課に窓口を設け、市税等の徴収方法をはじめとする庁内各課と連携して、生活困窮者を早期に発見し必要な支援に繋げるための取り組みを進めています。単に納付の効率化だけをはかっているのではないかというご意見でもございますけれども、いや今ご案内したとおり、これはですね、こういう徴収、一方では当然納税義務ということを果たしていただくということとございますけれども、非常に重要なことは生活困窮者をこれにて早期に発見するということでございますのでね、それで必要な支援につなげていくということでございます。生活に困窮してる方々を、市としてお支えしてることは大変重要でございまして、引き続き全庁的取り組みを推進してまいります。
高すぎる国保料を引き下げるために、一般会計からの法定外繰入は継続を
北谷議員:次に、国民健康保険についてです。
国民健康保険事業が、2018年度から、都道府県化されます。保険料は、県が示す標準保険料率をもとに、各市町村が、地域の実情を勘案して、決定することになります。市民にとって、保険料がどうなるのかは、大変気になるところです。現在でも、「高くて払えない」との悲鳴が上がっているのですから、市民の保険料負担を最大限軽減し、「払える保険料」としなければなりません。
10月、神奈川県は、仮係数による標準保険料率を、公表しました。本市の保険料は当局試算で、現在 年収400万の40歳代以上の両親と中学生1人、小学生1人の世帯では、年間保険料は371,590円です。10月に示された料率での当局試算では、来年度の保険料は421,370円となり、5万円もの負担増です。しかし、一般会計からの法定外繰入を、今年度並みに、100億円行えば、年間保険料は、379,390円となり、値上げ分は、7,800円に抑制されます。
市長は、決算特別委員会 総合審査で「市民のみなさまに、過重なご負担とならないように、配慮しながら、検討してまいります」と、答弁されています。
この際、市民のみなさんが、安心して年を越せるよう、来年度も、保険料軽減のための、法定外繰り入れを行うと、はっきり言明してください。いかがでしょうか。
来年度の保険料は、来年の1月に、確定係数による県の算定結果が示されてから、市が決定します。横浜市の1人当たりの繰入額は、川崎市や相模原市と比べて10,000円も少ないのが現状です。市長の決断で、両市なみの繰り入れを行えば、保険料が下げられます。いかがでしょうか。
林市長:国民健康保険の都道府県単位化についてご質問いただきました。
一般会計からの法定外繰入についてですが、30年度からの国保の都道府県単位化で、国が都道府県及び市町村に対する公費を拡充する一方決算補填等を目的とした、法定外繰入につきましては、計画的段階的に削減解消すべきものという風にしております。本市の法定外繰入率については、30年度の予算編成の中で具体的に検討してまいります。法定外繰入を継続し保険料を下げることについてですが、他都市の状況なども参考にしながら市民の皆様に過重な負担とならないように配慮しながら検討してまいります。
市長はヒバクシャ国際署名にサインを
北谷議員:最後は国際平和、ヒバクシャ国際署名についてです。
11月29日未明、北朝鮮は、弾道ミサイル発射を強行し、日本の排他的)経済水域内に落下しました。日本共産党はこの暴挙を、きびしく糾弾し、抗議するものです。
北朝鮮の核実験と、弾道ミサイル発射は、世界と地域の、平和と安定にとって、重大な脅威です。こういう時だからこそ、核の使用を、国際法上 禁じる、核兵器禁止条約 推進の立場に、市長は立つべきではないでしょうか。うかがいます。
日本には、1741自治体がありますが、12月4日現在、ヒバクシャ国際署名に、969自治体首長が、署名しています。神奈川県では、県知事と、28人の市町村長が、署名しています。署名していないのは、横浜市、川崎市、横須賀市、座間市、大井町だけとなりました。ヒバクシャ国際署名は、被爆者の訴えである、すみやかな、核兵器廃絶を願い、核兵器を禁止し、廃絶する条約を、結ぶことを、すべての国に求めるということに、賛同するものですが、なぜ署名できないのか、うかがいます。
ヒバクシャ国際署名について、第3回定例会で、市長は、「核兵器禁止条約の発効をめぐる、今後の動向を、見守って参りたいと思います」と答弁され、核廃絶)に向けての、主体的な姿勢は見られず、思考停止と、言わざるを得ません。安倍首相は、11月22日の参院本会議で、核兵器禁止条約について、「被爆の実相は、核兵器の非人道性についての、国際社会の理解を、深めるきっかけになればいい」と述べ、核兵器を、人類史上初めて、違法とした、条約の意義を、“理解のきっかけ”に矮小化し、日本の批准については、一切、言及しませんでした。核兵器禁止条約に対する、市長の現在の態度は、政府と同じである、ということになり、被爆者の声を、聞いていないことになります。いつまで、安倍首相の顔色を、うかがうのでしょうか。
12月4日、国連総会本会議で、核兵器禁止条約の採択を歓迎する、一連の決議案を賛成多数で採択しました。市長は世界の動向を見るべきです。
その上で、地方自治の精神に基づいて、主体的な市政運営を行うべきです。横浜市国際戦略では、「国際平和に寄与していくために、継承すべきは継承し、また、新たに創造しながら、未来に向けて、柔軟に対応していくことが、求められている」としており、この趣旨から言っても、市長は署名をするべきです。横浜市のトップとしての意思表示をいつされるのでしょうか、うかがいます。
以上で、最初の質問を終わります。
林市長:国際平和についてご質問いただきました。核兵器禁止条約推進の立場に立つべきとのことですが、昨今の北朝鮮による核実験ミサイル発射など東アジアをめぐる安全保障環境が厳しさを増す中、横浜市はこれまでもご承知の通り、ピースメッセンジャー都市として核実験を行ったあらゆる国に強い抗議を行うなどとして、一貫して核兵器の廃絶を国際社会に訴えてまいりました。条約の批准につきましては国の専権事項でございますので、国に於いて判断することだと私は考えております。国際署名についてですが、核兵器のない世界の実現は人類共通の願いでございまして横浜市も今ご答弁した様にですね、本当にあってはならないということずっと申し上げて必ず抗議をしている訳でございます。こういった答弁をご説明させて頂きましたけども、今後もこの核兵器禁止条約については、動向を見守っていきたいというのが私のお答えにさせていただきたいと思います。繰り返しではございますが、国際署名に立つ意思表示についてご質問いただきましたが繰り返しでございます。引き続き動向を見守って参りますので、現時点では私自身は意思表示をする考えはございませんので、なにとぞご理解を賜りたいと思います。
第二質問
北谷議員:市長に伺います。 高校卒業までの医療費助成についてのお答えがありませんでしたので、再度伺います。
林市長:小児医療費助成制度の拡充についてですが、年齢拡大については31年4月から中学3年生までの拡大ということを申し上げました。高校生についてはないという説明です。
北谷議員:滞納を市民からの SOS として捉える気持ちや考えがあるのか伺います。
林市長:滞納を SOS として捉える気持ちはあるかということは、それはございます。はい。本当に大変な、常に現場とか伺って、先生と一緒で、胸が痛い思いをしています。できるだけ市政に反映していくというか、政策に反映していくというか、施策に反映していく努力は続けていくつもりでございます。
北谷議員:ヒバクシャ国際署名ですが、市長個人として賛同できないことなのかどうか伺います。
林市長:国際署名について個人的にはということでが、私はこの議場に市長して立っていますので、ちょっとこれはお答えできないということです。
北谷議員:教育長に伺います。説明がありました就学支援金では足りないという認識はないのか、伺います。そして不登校の生徒への健康診断ですが、学校に来ることを原則としているということについて、それで健康診断が受けられないということについての認識はないのか、伺います。
岡田教育長:授業料にあてる就学支援金が足りてるのかどうかというご質問がありましたがこの授業料にあてる就学支援金については、私は足りていると考えています。ただ、あの定時制で学ぶ生徒たちがしっかり卒業していけるような支援は、この授業料にあてる就学支援金とは別に、しっかり考えていかなければいけないと思っています。不登校の生徒達が、学校において健康診断受けることが前提なのかどうかというご質問ですが、現在の法律の下では学校管理下において健康診断をというふうに解釈をされているので、ぜひ、学校で色々な工夫をして、不登校の児童生徒にも健康診断を受けていただきたいと考えていますので、丁寧な連絡体制をとってきたいと思います。