資格を持たないヘルパーで安上がりの介護制度に
2016年第2回横浜市議会2日目の20日、議案関連質問が行われ、白井まさ子議員が日本共産党を代表して、質問しました。
市町村が主体となって行う新しい介護予防・日常生活支援総合事業が2015年度から始まりました。要支援1・2の人へのヘルパーとデイサービスの給付は新総合事業に移行し、サービス内容や価格、利用者負担を市の裁量で決めるほか、医師による要介護認定を省略し、基本チェックリストで対象者を判定できるようになります。介護認定に到らない高齢者を増やして介護費用を減らし、総合事業の事業費も75歳人口の伸び率の範囲内に納めるよう上限が設定されます。横浜市では今年10月から、ホームヘルパー資格のない人による要支援1・2の人への訪問サービスがスタートします。
白井議員は、ヘルパーの資格のない人も掃除・洗濯・調理などは可能だが、「そこには専門的な観察力の不足は否めない」と指摘。資格のあるホームヘルパーによる生活援助は病気や認知症の発見につながる専門的な観察力を持っており、利用者が要介護になることを留めるケースが多々あると述べました。そして、「市が利用者の希望や包括の判断をコスト優先で緩和基準によるサービスに誘導するようなことがあって、不本意なサービスしか受けられないという制約が出てくれば、サービスの質の低下となる」と懸念を示し、市長の認識を問いました。
林文子市長は、訪問型援助サービスは利用者本人と相談の上で資格を持ったヘルパーにするかどうかを決めるものであり、従事者には介護事業所による一定の研修等で必要な知識・技術等を身につけていただくのでサービスの質を確保することができ、人材不足に対応するためにも本サービスを導入することで介護人材の裾野を広げる必要があると答えました。
◎質問と答弁の全文はこちら「議案関連質問」をご覧ください。